○安芸高田市消防団員の懲戒処分の基準及び審査に関する規程

令和6年3月19日

訓令第3号

(目的)

第1条 この訓令は、安芸高田市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例(平成16年安芸高田市条例第176号。以下「条例」という。)第6条の規定による懲戒処分について、その基準及び審査等に関する事項を定め、もって懲戒処分の公正を確保することを目的とする。

(処分の基準等)

第2条 任命権者は、消防団員(以下「団員」という。)条例第6条の規定に該当したときは、当該行為の態様及び結果、故意又は過失の程度、公務内外に与える影響、当該団員の職責、過去の非違行為の状況及び日頃の勤務態度等を総合的に考慮し、別表に規定する非違行為の種類に応じ同表に掲げる処分の基準に従い、当該団員に対し処分を行うものとする。

2 この訓令において、懲戒処分の軽重は、戒告、停職又は免職の順序による。

3 指導上の措置は、訓告・注意(口頭又は文書により、本人の責任を自覚させ、職務履行の改善向上等を図るため行う人事的矯正措置行為)により行うものとする。

(複数の非違行為を行った場合の取扱い)

第3条 任命権者は、団員が別表に掲げる非違行為に該当する行為を2以上行ったときは、当該非違行為に応じた同表に掲げる懲戒処分のうち、最も重い懲戒処分を行うものとする。

(情状等による加重等)

第4条 任命権者は、前2条の規定により懲戒処分を行う場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、これらの規定により行うことのできる懲戒処分より、一段階重い懲戒処分を行うことができる。

(1) 団員の非違行為の態様が極めて悪質であるとき。

(2) 団員の非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき。

(3) 団員の非違行為が故意又は重大な過失と認められるとき。

(4) 団員が管理又は監督の地位にあるなど職責の度合いが特に重いとき。

(5) 団員が非違行為に該当する行為を行ったことを理由として過去に懲戒処分を受けたことがあるとき。

2 前項の規定により一段階重い懲戒処分を行うときは、別表に掲げる非違行為の種類に応じ、同表に掲げる懲戒処分が戒告の場合にあっては停職、停職の場合にあっては免職とする。

(情状等による軽減等)

第5条 任命権者は、第2条又は第3条の規定により懲戒処分を行う場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、これらの規定により行うことのできる懲戒処分より、一段階軽い懲戒処分を行うことができる。

(1) 団員の日頃の勤務態度が極めて良好であるとき。

(2) 団員の非違行為が軽微な過失であると認められるとき。

(3) 団員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出るなど非違行為に対するその後の対応に誠意があると認められるとき。

2 前項の規定に基づき一段階軽い懲戒処分を行うときは、別表に掲げる非違行為の種類に応じ、同表に掲げる懲戒処分が免職の場合にあっては停職、停職の場合にあっては戒告とする。

(懲戒処分としない場合の取扱い)

第6条 任命権者は、団員の行為が別表に掲げる非違行為の種類に該当する場合であって、当該団員が行った当該非違行為の態様等に照らし、懲戒処分を行わないことに相当の理由があると認められるとき(原則として、当該非違行為に応じた同表に掲げる懲戒処分に戒告が含まれているときに限る。)は、懲戒処分を行わないことができる。

(別表外行為の取扱い)

第7条 任命権者は、団員の行為が非違行為に該当する場合であって、別表に掲げる非違行為の種類に該当しないときは、当該行為に類似する非違行為に応じた懲戒処分に準じて当該非違行為に応じた懲戒処分を行うものとする。

(消防団員分限懲戒審査委員会)

第8条 任命権者は、懲戒処分を行うに当たっては、消防団員懲戒審査委員会(以下「審査会」という。)に懲戒処分上申書(様式第1号)に次に掲げる証拠及び身分調査書(様式第2号)を添えて上申しなければならない。

(1) 本人の聴取書又は始末書。ただし、本人が供述又は始末書を拒んだときは、事実調査書とする。

(2) 関係人の聴取又は陳述書

(3) 前2号に掲げるもののほか、任命権者が必要と認める書類

2 審査会は、任命権者の命により懲戒処分の対象となるべき事由の存否等について調査し、この訓令に規定する基準に従い処分の可否及び内容について審査を行い、審査答申書(様式第3号)に処分理由説明書(様式第4号)を添付して、当該任命権者へ答申しなければならない。

3 審査会は、団員の行為がこの訓令に規定する非違行為に該当する場合であっても、その情状等によっては、この訓令に規定する基準にかかわらず、当該基準に規定する処分を加重し、又は行わず若しくはその程度を減ずるべき旨の意見を述べることができる。

この訓令は、令和6年3月19日から施行する。

別表(第2条―第7条関係)

非違行為の種類

懲戒処分

勤務態度不良

活動中に上司の断りなく、現場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた場合

戒告

職場内秩序びん乱

暴行により組織の秩序を乱した場合

停職

暴言により組織の秩序を乱した場合

戒告

虚偽報告

事実をねつ造して虚偽の報告を行った場合

戒告

職務違反

法令等及び上司の職務上の命令に違反をした場合

戒告

秘密漏えい

職務上知ることのできた秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合

停職、免職

個人の秘密情報の目的外収集

その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した場合

戒告

政治活動等

消防団又は消防団員の名義をもって特定の政党、結社若しくは政治団体を支持し、反対し、又はこれに加担し、又は他人の訴訟若しくは紛議に関与した場合

戒告、停職

寄附金、営利行為等

消防団又は消防団員の名義をもってみだりに寄附金を募り、又は営利行為をなし、若しくは義務の負担となるような行為をした場合

戒告、停職

ハラスメント(職務上の権限を背景に職務の範囲を超えて人格を侵害する言動、また他の者を不快にさせる性的な言動等)

他の団員に対し、職務上の地位や人間関係等の職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的若しくは身体的な苦痛を与え、又は職場環境を悪化させる行為等を行った職員

免職、停職、又は戒告

暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした場合

免職又は停職

相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した場合

停職

わいせつな言辞等により性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合

免職又は停職

相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った場合

戒告

異性専用の場所と知りながら、正当な理由なく当該場所に出入するなどの行為を行い、又は客観的に不審な挙動があり、当該異性及び黙認した第三者に著しく不快を与えた場合

戒告

横領

公金又は公用物を横領した場合

免職

窃取

公金又は公用物を窃取した場合

免職

紛失

公金又は公用物を紛失した場合

戒告

盗難

重大な過失により公金又は公用物の盗難に遭った場合

戒告

収賄

職務に関し賄賂を収受し、又はこれを要求若しくは約束した場合

免職

公用物損壊

故意又は重大な過失により公用物を破損した場合

戒告

出火・爆発

過失により組織において公用物の出火、爆発を引き起こした場合

戒告

諸報酬の違法支払・不適正受給

故意に法令に違反して報酬等を不正に支給した場合及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして報酬等を不正に受給した場合

戒告

公金公用物処理不適正

自己保管中の公金の流用等公金又は公用物の不適正な処理をした場合

戒告

放火

放火をした場合

免職

殺人

人を殺した場合

免職

傷害

人の身体を傷害した場合

停職

暴行・けんか

人に暴行を加え、又はけんかをした団員が人を傷害するに至らなかった場合

戒告

器物損壊

故意に他人の物を損壊した場合

戒告

横領

自己の占有する他人の物(公金及び公用物を除く。)を横領した場合

停職、免職

窃盗・強盗

他人の財物を窃取した場合

停職、免職

暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合

免職

詐欺、恐喝

人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた場合

停職、免職

賭博

賭博をした場合

戒告

常習として賭博をした場合

停職

麻薬・覚醒剤等の所持又は使用

麻薬・覚醒剤等の所持又は使用した場合

免職

酩酊による粗野な言動等

酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした場合

戒告

淫行

18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対象として供与し、又は供与することを約束して淫行をした場合

停職、免職

痴漢行為

公共の乗物等において痴漢行為をした場合

停職

飲酒運転

酒酔い運転

事故の有無にかかわらず、全ての場合

停職、免職

酒気帯び運転

人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた場合

停職、免職

人に傷害(重篤なものを除く。)を負わせた場合、又は物損事故を起こした場合

停職、免職

上記の場合において、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした場合

免職

酒気帯び運転をした場合

停職、免職

同乗者・ほう助者

飲酒運転をすると知りながら、飲酒を勧めた場合

停職

飲酒運転をすると知りながら自動車を提供した場合、又は飲酒運転の自動車に同乗した場合

戒告、停職、免職

飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの。)

人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた場合

停職、免職

上記の場合において、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした場合

停職、免職

人に傷害を負わせ、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした場合

停職

無免許運転で人を死亡させ、又は人に重篤な傷害を負わせた場合

免職

無免許運転で人に傷害を負わせた場合

停職、免職

上記の場合において、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした場合

免職

最高速度違反30km(高速40km)以上の運転で、人を死亡させ、又は人に重篤な傷害を負わせた場合

停職、免職

最高速度違反30km(高速40km)以上の運転で、人に傷害を負わせた場合

戒告

交通法規違反関係等

悪質な交通法規違反をした場合

戒告、停職

上記の場合において、物の損壊に係る交通事故を起こして、その後の危険防止を怠る等の措置義務違反をした場合

停職

無免許運転をした場合

戒告

上記の場合において、物の損壊に係る交通事故を起こした場合

戒告、停職

上記の場合において、事故後の危険防止を怠る等の措置義務違反をした場合

停職

指導監督不適正

部下団員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としても指導監督に適正を欠いていた場合

戒告

非行の隠蔽・黙認

部下団員の非違行為を知得していたにもかかわらず、その事実を隠蔽し、又は黙認した場合

停職

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安芸高田市消防団員の懲戒処分の基準及び審査に関する規程

令和6年3月19日 訓令第3号

(令和6年3月19日施行)