○安芸高田市介護保険施設等監査要綱
平成19年11月1日
訓令第196号
第1 目的
この要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第76条、第76条の2、第77条、第78条の7、第78条の9、第78条の10、第83条、第83条の2、第84条、第90条、第91条の2、第92条、第100条、第103条、第104条、第114条の2、第114条の5、第114条の6、第115条の7、第115条の8、第115条の9、第115条の17、第115条の18、第115条の19、第115条の27、第115条の28、第115条の29、第115条の45の7、第115条の45の8及び第115条の45の9の規定に基づき、介護給付等対象サービスの内容及び介護給付等に係る費用の請求に関して行う監査に関する基本的事項を定めることにより、介護給付等対象サービスの質の確保及び保険給付の適正を図ることを目的とする。
第2 監査方針
監査は、介護保険施設等の介護給付等対象サービスの内容並びに介護報酬の請求について、人員、施設及び設備並びに運営に関する基準に従っていないと認められる場合若しくはその疑いがあると認められる場合又は介護報酬の請求について、不正を行っていると認められる場合若しくはその疑いがあると認められる場合又は不正の手段により指定等を受けていると認められる場合若しくはその疑いがあると認められる場合(以下「指定基準違反等」という。)又は介護給付等対象サービスの利用者等について高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)(以下「高齢者虐待防止法」という。)に基づき市が虐待の認定を行った場合若しくは高齢者虐待等により利用者等の生命又は身体の安全に危害を及ぼしている疑いがあると認められる場合(以下「人格尊重義務違反」という。)において、当該介護保険施設等に対し報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該介護保険施設等に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件の検査(以下「立入検査等」という。)を行い、事実関係を的確に把握し、公正かつ適切な措置を採ることを主眼とする。
第3 定義
この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 居宅サービス等
居宅サービス、地域密着型サービス、居宅介護支援、施設サービス、介護予防サービス、地域密着型介護予防サービス、介護予防支援及び第1号事業
(2) 指定居宅サービス事業者等
指定居宅サービス事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者又は指定居宅サービス事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者
(3) 指定地域密着型サービス事業者等
指定地域密着型サービス事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者又は指定地域密着型サービス事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者
(4) 指定居宅介護支援事業者等
指定居宅介護支援事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者又は指定居宅介護事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者
(5) 指定介護老人福祉施設開設者等
指定介護老人福祉施設若しくは指定介護老人福祉施設の開設者若しくはその長その他の従業者又は指定介護老人福祉施設の開設者若しくはその長その他の従業者であった者
(6) 介護老人保健施設開設者等
介護老人保健施設の開設者、介護老人保健施設を管理する者又は医師その他の従業者
(7) 介護医療院開設者等
介護医療院の開設者、介護医療院の管理者又は医師その他の従業員
(8) 指定介護予防サービス事業者等
指定介護予防サービス事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者又は指定介護予防サービス事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者
(9) 指定地域密着型介護予防サービス事業者等
指定地域密着型介護予防サービス事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者又は指定地域密着型介護予防サービス事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者
(10) 指定介護予防支援事業者等
指定介護予防支援事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者又は指定介護予防事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者
(11) 指定事業者等
第1号事業を行う指定事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業員又は指定事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業員であった者
(12) 介護給付等
介護給付及び予防給付
(13) 介護給付等対象サービス
介護給付等に係る居宅サービス等
(14) 介護報酬
介護給付等に係る費用
(15) 介護保険施設等
指定居宅サービス事業者等、指定地域密着型サービス事業者等、指定居宅介護支援事業者等、指定介護老人福祉施設開設者等、介護老人保健施設開設者等、介護医療院開設者等、指定介護予防サービス事業者等、指定地域密着型介護予防サービス事業者等、指定介護予防支援事業者等及び指定事業者等
(16) 利用者等
介護給付等対象サービスに係る利用者又は入所者若しくは入居者
第4 監査対象の選定基準等
監査は、次に示す情報等を踏まえ、指定基準違反等又は人格尊重義務違反について確認の必要があると認める場合に立入検査等により行う。
1 要確認情報
(1) 通報、苦情、相談等に基づく情報
(2) 市が、高齢者虐待防止法に基づき虐待を認定した場合又は高齢者虐待等により利用者等の生命又は身体の安全に危害を及ぼしている疑いがあると認められる情報
(3) 広島県国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)、地域包括支援センター等に寄せられる苦情
(4) 連合会又は県からの通報情報
(5) 介護給付費適正化システムの分析から特異傾向を示す介護保険施設等
(6) 法第115条の35第4項の規定に該当する報告の拒否等に関する情報
(7) 行政手続法(平成5年法律第88号。以下「手続法」という。)第36条の3第1項又は安芸高田市行政手続条例(平成16年安芸高田市条例第12号)第36条の規定による処分等の求めの申出を受けたとき。
2 運営指導における情報
法第23条により市が行う運営指導において確認した介護保険施設等において認めた(その疑いがある場合を含む。)指定基準違反等及び人格尊重義務違反
第5 監査の実施主体
監査の実施主体は、当該監査対象の介護保険施設等への安芸高田市介護保険施設等指導要綱(平成19年訓令第195号)第5の2に規定する運営指導を所管する機関(以下「指導機関」という。)とする。
第6 監査方法等
1 指定又は許可の権限がある介護施設等に対する監査
(1) 実施通知
監査の対象となる介護保険施設等を決定したときは、次に掲げる事項を文書等により、監査開始時に通知する。なお、法第23条により運営指導を実施中に監査に移行した場合は、口頭により当該事項を含め監査を実施する旨通告する。
なお、手続法第36条の3第1項又は安芸高田市行政手続条例第36条の規定による処分等の申出を受けて実地検査等を行うときは、申出者の個人情報が漏えいすることがないよう万全を期するものとする。
ア 監査の根拠規定
イ 監査の日時及び場所
ウ 監査担当者
エ 監査対象介護保険施設等の出席者(役職名等で可)
オ 必要な書類等
カ 虚偽の報告又は答弁、検査忌避等に関する罰則規定
(2) 情報提供等
監査の実施に当たっては、事前に、関係する保険者及び監査の対象が指定地域密着型サービス事業者等又は指定地域密着型介護予防サービス事業者等の場合は当該事業者を指定している全ての市町村長に情報提供を行い、必要に応じ同時に監査を実施する等の連携を図るものとする。
2 指定権限等が県にある介護保険施設等に対する監査
(1) 実施通知
上記1の(1)に準ずる。
(2) 情報提供等
指定又は許可の権限が県にある指定居宅サービス事業者等、指定介護老人福祉施設開設者等、介護老人保健施設開設者等、介護医療院開設者等及び指定介護予防サービス事業者等(以下「県指定サービス事業者」という。)について監査を行う場合、県知事に対し事前に実施する旨の情報提供を行い、連携を図るものとする。
(3) 県への通知
監査により県指定サービス事業者に対する指定基準違反等又は人格尊重義務違反を認めるときは、文書によって県知事に通知する。ただし、県及び市が同時に監査を行っている場合は、これを省略することができる。
3 行政上の措置
指定権限が市にある指定地域密着型サービス事業者等、指定居宅介護支援事業者等、指定地域密着型介護予防サービス事業者等、指定介護予防支援事業者等及び指定事業者等(以下「市指定サービス事業者等」という。)について、指定基準違反等又は人格尊重義務違反が認められた場合には、法第5章に掲げる「勧告、命令等」、「指定の取消し等」、「業務運営の勧告、命令等」、「許可の取消し等」の規定に基づき行政上の措置をとるものとする。
なお、県指定サービス事業者について指定基準違反が認められた場合は、第8―1―(1)に基づき、県へ通報しなければならない。
(1) 勧告
市指定介護保険施設等に指定基準違反等(介護報酬の請求に関することを除く。)の事実が確認された場合は、当該介護保険施設等に対し、期限を定めて、文書により基準の遵守等の措置をとるべきことを勧告することができるほか、当該期間内にこれに従わなかったときは、その旨を市のホームページ等に公表することができる。なお、勧告した場合は、当該介護保険施設等に対し、期限内に文書によりとった措置について報告を求める。
(2) 命令
市指定介護保険施設等が正当な理由がなく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、当該介護保険施設等に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命令することができるほか、命令をした場合には、その旨を市のホームページ等に公表するとともに「広報あきたかた」に掲載するものとする。なお、当該命令をした場合は、当該介護保険施設等に対し期限内に文書によりとった措置について報告を求める。
(3) 指定の取消し等
指定基準違反等又は人格尊重義務違反の内容等が、法第78条の10各号、第84条第1項各号、第115条の19各号、第115条の29各号又は第115条の45の9各号のいずれかに該当する場合においては、当該介護保険施設等に係る指定若しくは許可を取り消し、又は期間を定めてその指定若しくは許可の全部若しくは一部の効力の停止(以下「指定の取消し等」という。)をすることができる。この場合において、市は、指定の取消し等を行った旨を速やかに県知事に届け出るとともに、市のホームページ等への公表し、及び「広報あきたかた」に掲載するものとする。
なお、指定の取消し等をした場合には、その旨を速やかに県知事に届け出るとともに、市のホームページ等への公表及び「広報あきたかた」に公示を行うものとする。
(4) その他
監査の結果については、文書により通知する。なお、上記(1)~(3)に該当する場合はそれらの通知に代えることができる。また、上記(1)~(3)に該当しない又は改善を要すると認められた事項については、その旨を通知し期限を定めて報告を求めるものとする。
4 聴聞等
監査の結果、当該介護保険施設等が命令又は指定の取消し等の処分(以下「取消処分等」という。)に該当すると認められる場合は、監査後、取消処分等の予定者に対して、手続法第13条第1項各号の規定に基づき聴聞又は弁明の機会の付与を行わなければならない。ただし、同条第2項各号のいずれかに該当するときは、これらの規定は、適用しない。
5 経済上の措置
(1) 不正利得となる返還金の徴収の要請
取消処分等(命令を除く)を行った場合に、当該介護保険施設等が法第22条第3項に規定する偽りその他不正の行為により介護報酬の支払いを受けている場合には、その支払った額につきその返還させるべき額を不正利得とし、当該支払いに関係する保険者に対し、当該不正利得の徴収を行うよう要請するものとする。
(2) 返還金の徴収方法
上記(1)の不正利得については、原則として、法第22条第3項の規定により当該返還させるべき額に100分の40を乗じて得た額を併せて徴収するものとする。
第7 営利法人重点監査
この要綱の第1から第6までに定める監査のほか、別に定める「安芸高田市営利法人重点監査実施計画」により、安芸高田市営利法人重点監査を実施する。
第8 監査に当たっての留意事項
1 県指定サービス事業者への実地検査等
(1) 市は、県指定サービス事業者について実地検査等を行う場合その旨を、広島県健康福祉局医療介護基盤課(以下「県医療介護基盤課」という。)及び当該事業者の指導を所管する県地域事務所等(以下「県指導機関」という。)に通知するとともに、関係情報の提供や県指導機関と合同での実地検査等(以下「合同監査」という。)の実施など必要な措置をとるものとする。
(2) 市が単独で県指定サービス事業者に対し監査を行い、基準違反等について確認した場合は、速やかに県医療介護基盤課及び県指導機関に報告をするものとする。
2 県との合同監査等
市は県と互いに連携を図り、必要と認める場合は合同監査を行うほか、次に掲げる事項に関し情報交換等を行うことにより適切な監査の実施に努めるものとする。
(1) 合同監査を行う必要がある又はそのおそれがある場合の当該事業所等に関する情報
(2) その他、適切な監査の実施に必要と認められる事項
3 厚生労働省への報告
監査及び行政措置の実施状況について、法第197条第2項の規定に基づき、厚生労働省老健局総務課介護保険指導室に報告する。
第9 権限移譲について
権限移譲に関して、移譲事務の適正な遂行のために必要と認める場合は、県に対し必要な支援を求めることとする。
なお、県が移譲事務の違反の是正又は改善のための必要な措置を講ずるよう求めてきた場合は、県と協議の上、適切な移譲事務の遂行ができるよう必要な措置を取り、報告することとする。
第10 その他
この要鋼に定めるもののほか、監査の実施についての必要な事項は、別に定める。
附則
この訓令は、平成19年11月1日から施行し、平成19年度の監査から適用する。
附則(平成23年3月25日訓令第6号)
この訓令は、平成23年4月1日から施行する。
附則(令和元年11月1日訓令第13号)
この訓令は、令和元年11月1日から施行し、令和元年度の監査から適用する。
附則(令和4年4月1日訓令第8号の3)
この訓令は、令和4年4月1日から施行する。
附則(令和7年3月28日訓令第10号)
この訓令は、令和7年3月28日から施行し、令和6年4月1日から適用する。